糖質

糖質は太る原因だ、というのが皆さんの共通認識だと思います。しかし、糖質はなぜ太るのでしょうか。

糖質が太る原因の理由、そしてどのように糖質と付き合えば太らないのかを解説していきます。

糖質が太る理由

糖質は余計な分は脂肪に変わります。糖質はエネルギーのもとであり、エネルギーを生産するためには糖質が主原料となります。主原料である糖質がなくなってしまうと、体はエネルギーを作ることができないため、脂肪という形で貯蔵するのです。

また、血糖値が上がれば血糖値を下げるために糖質を細胞にため込む動きをします。血糖値を正常な値にするための体の防護システムです。

糖質として非常に有名なのが、炭水化物です。炭水化物はブドウ糖の塊(基本的には)であり、消化によりブドウ糖に分解されます。

炭水化物消化の仕組み
参考:消化酵素の働き・消化のメカニズム

分解されたブドウ糖は代謝によりエネルギーへ変換されます。

ブドウ糖からのATP生産の仕組み
参考:代謝酵素の働き・代謝のメカニズム

しかし、すべての糖質がエネルギーを作るために利用されるわけではありません。私たちの体は、何もしていなくても細胞の入れ替わり新陳代謝によりエネルギーは必要としますし、呼吸や何気ない動作にもエネルギーを必要としています。一般的に何もしていなくても必要なエネルギーを基礎代謝と呼び「16.8×体重+263(30代女性)」が必要といわれています。

ただ、基礎代謝以上のエネルギーは運動などを行わなければ消費されないため、活動した以上に糖質を摂取すれば太る原因となってしまいます。

酵素栄養学における消化酵素の浪費が太る原因

ここまでの説明は糖質を摂取すること、というよりは炭水化物を摂取することが太る要因になる、という説明ではないのか、と思われた方もいるのではないでしょうか。炭水化物も、基本的には糖質であり、糖質が太る原因を説明する上で欠かせないため初めに説明させていただきました。

しかし、糖質として最も気になるのが、やはり「甘いもの」端的にいえば「砂糖」ではないでしょうか。砂糖というと少し範囲が狭くなるため「甘いもの」について深堀していきましょう。

実は私たちがよく口にしている「甘いものに含まれている糖質は酵素栄養学的には消化酵素を無駄遣いしてしまい代謝を悪化させる」ため、太る原因となります。

詳しい説明は後ににしますが、消化酵素を無駄遣いしてしまう理由を理解するために、まずは糖質の種類をご覧ください。

分類 名称 成分
単糖類 ブドウ糖
果糖
ガラクトース
二糖類 麦芽糖 ブドウ糖2つ
ショ糖 ブドウ糖・果糖
乳糖 ブドウ糖・ガラクトース
多糖類 デンプン ブドウ糖が主
グリコーゲン ブドウ糖が主
セルロース ブドウ糖が主

ご覧いただいた通り、糖質は単糖類、二糖類、多糖類という分類分けがされています。単糖類はいわゆる最小単位と考えていただければ、大筋OKで、二糖類は単糖類が2つつながっている、多糖類は単糖類が多くつながっているものです。

私たちの体では、消化の力により最小単位に分解され体に吸収され、組織の構成やエネルギーの作成に使われていきます。

ここで、糖類の種類を掲載したのには実は理由があります。単糖類と二糖類では消化するのにかかる「コスト」変わってきます。消化は酵素による化学反応により行われます。そのため、単糖類を食物から摂取した場合は、酵素の働きを抑えることが可能です。

しかし、二糖類の場合はどうでしょうか。二糖類は単糖類に分解しなければなりません。そのため、単糖類に比べて消化酵素を消費しなければなりません。

そして、私たちがよく口にする甘いもの、つまりイメージしている糖質は、そのほとんどがショ糖を主原料にした糖質です。砂糖の成分のほとんどはショ糖と呼ばれる二糖類の物質になります。一方、果実に含まれる糖質は果糖という単糖類です。

これで、最初に述べた「甘いものに含まれている糖質は酵素栄養学的には消化酵素を無駄遣い」がご理解いただけたのではないでしょうか。甘いものに含まれるショ糖は単糖類に比べて、二糖類⇒単糖類という消化が必要になり消化コストがかかっているのです。

では、なぜ消化コストが代謝悪化につながるかというと、酵素栄養学では「代謝酵素と消化酵素は合計で一定数しか存在できない」といわれているからです。

潜在酵素の関係性

つまり、消化にコストがかかり消化酵素を多く利用すると代謝酵素が生成できず、代謝が悪くなるということです。

代謝が悪くなれば、エネルギー生産に使われる糖質は少なくなってしまいます。そのため、糖質は体内で余ってしまい、脂肪として蓄えられて太る原因となるのです。

糖質の中毒性

甘いものには中毒性があるということを聞いたことがありませんか?では、なぜ中毒性があるといわれているのでしょうか。実はこれには血糖値とインスリンが関係しています。

血糖値とは、私たちの体を流れる血液中の糖質量の値です。インスリンとはホルモンの一種で、血糖値をコントロールするホルモンです。私たちの体は血糖値が低すぎれば、糖分が足りずエネルギー生産ができず頭痛やめまいなどを起こします。

逆に血糖値が高すぎればいわゆる糖尿病というものです。血中糖分が高すぎるため、血中と体外との血液外との浸透圧の差で血中の水分がドンドン外に排出されてしまいます。血中水分が低くなれば、血液は一層ドロドロになり動脈硬化なども引き起こしてしまいます。

インスリンはこれらの低血糖や高血糖を起こさないように、コントロール(指令を出す)してくれます。高血糖であればインスリンは血糖を低くするために、細胞たちに血糖を血液から排除するように命令します。すると細胞たちは血糖を細胞にしまい込み、いわゆる脂肪細胞へと変わります。

一方、低血糖の場合はインスリンは糖分補給を命令します。糖質を外部から摂取するようにと・・・甘いものが無性に食べたくなるのはインスリンが働いているからなのです。

実は、甘いものを食べると血糖値が上がり過ぎてしまいます。そのため、インスリンは慌てて血糖を下げようとします。甘いものの場合、血糖が大きく上がるため、下げる働きも非常に強力です。そのため、勢いよく血糖を下げ過ぎてしまいます。

すると、今度は低血糖になってしまいます。今度は慌てて血糖を上げるように甘いものを食べる指令を出します。この繰り返しで、甘いものが止まらない、という状態が作り出されています。

甘いものが高血糖と低血糖を繰り返し中毒性を生む仕組み

血糖値を抑える目安としてのGI指標

血糖値を抑える指標としてGIという指標があることをご存知でしょうか。過去、低GIダイエットというものも流行しました。低GIダイエットの考え方自体は今でも有効なものであり、酵素栄養学とは切り離して考えてよい考え方です。

【GIの指標の考え方】

  • 体がブドウ糖を吸収する速度を100とする
  • ブドウ糖の吸収速度を基準にして相対速度をGI値とする

GI値の代表例を見ておきましょう。

分類 GI値 食品
高GI 110 グラニュー糖・氷砂糖・白砂糖
108 キャンディ・黒砂糖
95 アンパン・どら焼き・食パン・フランスパン・ジャガイモ・せんべい
88 ハチミツ・大福・ビーフン
85 うどん・モチ・白米
82 ケーキ・ナン・モチ米・ホットケーキ・ドーナツ・チョコレート・ニンジン・メープルシロップ
71 マカロン・中華麺
中GI 70 パン粉・トウモロコシ
65 カステラ・そうめん・クロワッサン・アイス・パイナップル・スパゲッティー・長いも・カボチャ
64 里芋
低GI 60 栗・そば・ライ麦パン
56 玄米
55 五穀米・サツマイモ・ゴボウ・ナッツ
32 春雨
30 アーモンド
28 ピーナッツ
18 くるみ・ピスタチオ

見ていただけると、何となく太りそうな食材が中~高GIで、太らなそうな食材が低GIなのだな、と思うのではないでしょうか。イメージ通りではありますが、これらの食材を意識的に取り入れることで、血糖値の上昇を抑えることが可能です。

血糖値が上がれば、細胞に糖分を貯蓄する、つまり脂質細胞となって太る原因になります。また、血糖値の急上昇を抑えることで、先に述べた血糖値の上がり下がりからくる中毒症状も発生しにくくなります。

まとめ

糖質の取り過ぎが太る理由・メカニズムを解説してきましたがご理解いただけたでしょうか。要点をおさらいしておきましょう。

  • 糖質は余分な分は脂肪に変わり貯蔵される
  • 急激に血糖値が上昇すると血糖を脂肪細胞に貯蔵する
  • 急激に血糖値が下降すると今度は糖質を外部より補給したくなる
  • 急激な血糖値の上昇と下降は繰り返されることにより糖質の中毒症状を生む
  • 酵素栄養学的には二糖類・多糖類を多くとると代謝酵素を減らし代謝を悪くする

今回の説明の中では、酵素栄養学は一番最後のみで、他の事項については生化学・生体分子学とも共通のものとなっています。