酵素

酵素ダイエット、酵素は健康に良い、酵素は人間に欠かせない・・・何となくダイエットや体に良いということは、皆さんもイメージしているかと思いますが、実際に酵素とは何者なのか、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、酵素について詳しく解説していきたいと思います。

酵素とは?

酵素を一言で表すと体の中で起こる生化学反応を促進する物質となります。それぞれの、化学反応を促進する役割のため、よく酵素は「触媒である」といわれることが多いですね。

【酵素の基本】

  • 酵素とは触媒であり単体で働く物質ではない
  • 酵素が触媒となることで化学反応が起きる
  • 酵素が触媒として化学反応が起きることで消化や代謝が発生する

触媒といわれても少しピンと来ないかもしれませんが、理科の実験を思い出してみましょう。昔、水の電気分解の実験を行ったかと思いますが、その際電気を通す金属を触媒として利用したのではないでしょうか。

金属を触媒にして水に電気を通し、化学反応を起こすことで、酸素と水素が発生しました。このように、触媒がなければ化学反応というのは発生できません。

つまり、酵素という触媒が体内になければ、私たちの体の中で化学反応を起こせないということになります。

私たちの体の中では、様々な生化学反応が発生していて、生化学反応が起きていなければ私たちは「息をすることも」「立ち上がることも」「目をつむることも」何もできないといっても過言ではありません。

酵素は生物ではない

生物ではない
酵素と聞くと、一般的に生物なのではないか、と考えている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

【物質的な酵素】

  • 酵素はアミノ酸の塊
  • 酵素自身に生物としての力はない
  • 化学により作り出すことも可能

アミノ酸の塊と聞いてピンときた方は鋭い方ですが、タンパク質はアミノ酸の塊ですね。そう、つまり酵素とはタンパク質の一種なのです。

しかし、ここで新たな勘違いを生んでしまうのですが、タンパク質を取ることが酵素を取ることである、というわけではありません。タンパク質といっても、非常に多くのタンパク質が存在します。

例えば、肌に良いというコラーゲンですが、これもタンパク質の一種です。しかし、コラーゲンに酵素としての働きはありません。コラーゲンの基本的な働きは、肌の下の真皮層という部分の柱になることです。

酵素はどのように生成されるのか

生成方法
酵素は生化学反応の触媒として働きますが、体の中では非常に多くの生化学反応が発生しています。

私たちの体の中では毎時100万もの細胞が生まれ変わっているといわれています。生まれ変わる細胞はDNAにより設計されており、DNAの中には遺伝子というより小さな設計書が存在しています。

この設計書(遺伝子)に記載されている通りに私たちの体の細胞は作られており、遺伝子という設計書に酵素を作り出すということが書かれているため、体内で酵素が作り出されています。

酵素の働きやすい環境

酵素には働きやすい環境というものがあります。

【一般的な酵素の働きやすい環境】

  • 温度:36℃~46℃
  • pH:6~8

一言で酵素といっても、その数は膨大で人間の体の中には約1万以上の異なる酵素が存在するといわれています。これらの約1万もの酵素はそれぞれが、それぞれの役割を持っていて、1酵素は1つの働しかしてくれません。

例えば、アミラーゼという炭水化物の消化を行う酵素は、炭水化物以外消化しません。脂質が来ても無視をします。

酵素それぞれに役割があり、自分の役割以外は行わない酵素、さらに環境によっては働けないものも多く存在します。

酵素の環境が変われば・・・

一般的に、酵素は37℃~46℃、ph6~8(中性)で最適に働くといわれていますが、この範囲だけでしか働かないわけではありません。この範囲を超えると徐々に反応速度が鈍くなり、あるところで働かなくなる、といわれています。

酵素が働かなくなることを「失活」といいます。

触媒としての働は、基本的には温度を上げていくと強くなるといわれています。理科の実験などで、熱を多く与えてあげることで化学反応が早くなった、という経験を皆さんお持ちだと思いますが、同じ原理です。

しかし、温度を上げ過ぎると、反応できなくなります。これは、先の説明の通り酵素はタンパク質であるからです。タンパク質はアミノ酸の結晶、アミノ酸は原子の集合体です。

タンパク質に熱をかけすぎると、物質としての形が変化することで、酸素と結合できなくなるから、です。

イメージとしては、金属製の車のパーツを、熱して溶かしてしまったら、本来組み込むべきパーツとして使えない、というイメージでしょうか。少し例がおかしいかもしれませんが、物質本来の形を維持できなくなることで、本来の働ができなくなってしまうということです。

phについても原理は同様で、酸性の力により溶けてしまうと、本来の役割を維持できなくなる、ということです。

もちろん、1万以上も酵素はいるといわれていて、そのすべてが解明されていないため、すべての酵素がこの条件に当てはまるわけではないですが、基本的には多くの酵素は活動できる範囲が狭いと覚えておくとよいでしょう。

酵素の生産量は人間の一生で決まっている

酵素の第一人者であるアメリカのエドワード・ハウエル博士によると、「人間の一生の間に合成できる酵素の量は遺伝子により決まっており、年齢とともに減少していく」といっています。

エドワード・ハウエル博士は1946年に専門書を、1980年と1985年に一般向けの著書を出したことで、酵素栄養学を世間に広めたパイオニア的存在です。

が、しかしご覧いただいた通り酵素栄養学自体が、まだまだ新しい分野であり研究の成果が他の医学的なものに比べ、乏しいというのも事実です。そのため、絶対に一生の間の酵素生成数が決まっているか、というとわからない、というのが正解だと思います。

酵素の種類

酵素には大きく分けて3種類に分類できます。

酵素関連図

①消化酵素

消化酵素はその名の通り、私たちの体の消化に欠かせない酵素です。先の説明の通り、酵素は触媒の機能を有しており、消化酵素というのは消化の触媒として機能してくれる酵素です。

私たちの体は、取り入れた食物を体の中で生化学反応により分解していき体に吸収できるようにして行っています。

例えば、私たちが口にするお米は主な成分はデンプンでできています。お米を摂取すると唾液や十二指腸内などの各所で、アミラーゼなどの酵素が触媒となり、ブドウ糖からグルコースなどの糖分へ分解されていきます。

お米のような炭水化物だけでなく、3大栄養素である「タンパク質」「脂質」「炭水化物」すべての分解に消化酵素は必要となっています。

参考:酵素栄養学から見た消化酵素とは?

②代謝酵素

代謝は私たちの体のエネルギー生産を行ってくれています。

消化酵素により分解された糖分は代謝酵素によりエネルギーに変わります。エネルギーを作るのはミトコンドリアと消化酵素により行われます。

グルコースなどの糖類からATPという物質を作り出すのがミトコンドリアです。ミトコンドリアは代謝酵素と酸素を燃やすことで大量のATPを作り出しており、私たちが活動するエネルギーを作り出しているのです。

私たちが活動するエネルギーを作り出す以外にも、タンパク質を形成する代謝酵素であったり、ホルモンを作り出される代謝酵素など、私たちが活動する上で欠かさない役割を担っているのが、代謝酵素です。

参考:酵素栄養学から見た代謝酵素とは?

③食物酵素

食物酵素は①②とは違い、体内で生成されている酵素ではありません。野菜や果実などに含まれる酵素のことを食物酵素と呼びます。

食物酵素には自己消化機能を持ち合わせています。つまり、私たちが体内で消化酵素を作り出し、使わなくても、食べ物自信に含む酵素で消化が進むというわけです。

中には食物から酵素を摂取すると、酵素が体に吸収されるから体に良い、とお考えの方もいるでしょうが、そういうわけではありません。

酵素は左記の説明の通りph6~8の環境でしか働けないと述べましたが、食物から摂取した酵素は胃酸を通るため、少なくてもここで「失活」してしまい、空に吸収はされない、と考えられています。

しかし、決して意味がないわけではなく、食物から摂取することで体内の消化酵素を利用する必要が少なるというメリットがあります。つまり、消化に良く体に吸収されやすいというイメージを持っていただければよいかと思います。

潜在酵素の関係

潜在酵素は体の中では一定数しか生成できず、消化酵素が大量に使われると代謝酵素の数が減る、といわれています。

潜在酵素の関係性

つまり、消化に悪いことばかりしていると、代謝酵素がうまく働けず、代謝が正常に働かない、ということになります。代謝が正常に働かないと太るというのはもちろん、その他筋肉が衰えたり、ホルモン分泌が正常に働かないなど、様々な影響が出てしまいます。

逆の見地から見ると、消化酵素の利用を抑えてあげれば代謝酵素の働はよくなり、代謝が改善されるということになります。

潜在酵素については、初めて聞いた、という方も多いかもしれませんが、酵素栄養学の日本の第一人者である「鶴見クリニック鶴見隆史先生」や「ブルークリニック青山 内藤統合医療センター 内藤眞禮生院長」などの書籍や、ヘルスケア大学でも「赤坂ビューティークリニック 院長 青山秀和先生」が同様のことを述べています。

潜在酵素の働く時間帯

酵素栄養学では人間の体の中で働く酵素の時間帯を3つに分けて考えられています。

酵素の人体リズム

朝方は「排泄の時間帯」のため、酵素の働きが弱く消化に悪いものを食べるべきではない時間帯としています。正午から夜8時までが最も食事をとる時間帯として適している時間と考えられており、この時間帯に栄養補給(食事)を行うべきと考えられています。

そして夜8時以降が人体を生成する時間(代謝と吸収)であり、この時間帯には食事をとるべきでないという考え方ですね。

酵素栄養学と生物分子学の見解が食い違うことについて

食い違い
これまでの説明は、酵素栄養学に基づく解説をしてきました。しかし、生物分子学の世界では異を唱える者もいることは事実です。また、日本の中でも酵素栄養学に批判的な目を向けている方もいらっしゃいます。

インターネット上で有名なのは「五本木クリニック 院長」ですね。酵素栄養学を真っ向から否定しています。少し話がそれますが、酵素栄養学と生物分子学で意見がく違う部分を、簡単にまとめておきます。

食い違い①体内酵素の生産量

酵素栄養学では人間が一生の間に生産できる酵素の量は決まっているというのが通説です。しかし、生物分子学の観点ではこんな事実は確認できていません。生物分子学では、酵素は必要な時に必要な分だけ生成される、が通説です。

酵素栄養学の、この学説も化学的な照明がされたものではなく、仮説に基づいた考えとなっています。

食い違い②消化酵素と代謝酵素の分類

酵素栄養学では消化酵素と代謝酵素を分けた考え方をしています。しかし、生物分子学では消化酵素と代謝酵素の分類分けはありません。酵素はあくまでも触媒の働きをするタンパク質であって、分類分けなど不可能だというのが生物分子学です。

酵素自体が無数にあるため、分類分けについて議論をしてもあまり意味はありません。消化にしろ、代謝にしろ酵素が触媒として働いているのは、まぎれもない事実です。

食い違い③消化酵素と代謝酵素の量はお互いを食いつぶしあっている

酵素栄養学では消化酵素が大量に体内で生産されていると、代謝酵素が生産できなくなり代謝が悪くなる、というのが通説です。しかし、生物分子学的には①の通り、必要な時に必要な分だけ生成される、という考えなので相いれない思想となります。

人体の酵素数を正確に知る術はありません(人体実験などを行えばわかるかもしれませんが・・・)。そのため、どちらの意見も合っているかもしれませんし、間違っているかもしれません。

まとめ

少し長くなったので要点だけ再整理しておきましょう。本記事は、タイトル通り酵素栄養学に基づいた説明であることを念頭に置いて確認ください。

  • 酵素は体の中の化学反応の触媒である
  • 酵素は生物ではなくタンパク質の一種である
  • 酵素は熱や酸に弱い
  • 酵素には「消化酵素」「代謝酵素」「食物酵素」がある
  • 酵素には「消化酵素」「代謝酵素」は体内で生成できる量は一定である

医療や学問の世界は仮説と検証のトライ&エラーの繰り返しです。新たな発見で、これまでの常識が覆るということは多々ある話です。どちらが真実なのかは、私たち一般人には判断が難しく・・・というよりも、学者であってもすべてを正しくとらえることは困難でしょう。

そのため、対立意見があっても、どちらかが騙そうと思って嘘を言っている、というわけではありません。

当サイトは、基本的には酵素栄養学に基づいた解説を行っていきますので、酵素栄養学の見解を、あなた自信の眼で確かめてみてください。

ただ、酵素ダイエットの方法は、実際に実践してみると痩せる、という場合が多いのは事実です。当編集部員も3ヶ月の酵素ダイエットに挑戦してもらいましたが、痩せることに成功しています。

⇒3ヶ月でどれだけ痩せた?正しい酵素ダイエットの方法と実践結果!