代謝イメージ

私たちが生きるために欠かせない代謝は体内の潜在酵素である代謝酵素があって初めて行われます。

そんな代謝について詳しく解説していきます。

代謝酵素の概要

代謝酵素とは体内で生成される潜在酵素と呼ばれる酵素です。潜在酵素には消化酵素と代謝酵素の2種類があり、それ以外に食物に含まれる酵素のことを食物酵素と呼びます。

酵素関連図

参考:酵素とは?種類・働き・概要

消化酵素が体に吸収できる大きさにまで分解してくれた栄養素をエネルギーに変えてくれることを代謝と呼ぶ、というのはご存知の方も多いかもしれませんが、体の組織に必要な栄養素に再生成することも代謝と呼びます。

大きく分けるとエネルギーを作るための代謝と、エネルギー以外のものを生成する代謝という分け方が可能です。しかし、エネルギー以外のものを作るにしても、作るのにエネルギーは必要です。

エネルギーの生産は、炭水化物や糖質が行う、という認識の方も多いかもしれませんが、少し違っていて各栄養素からエネルギーを作る物質を生産しています。

  • 糖質:体の活動のためのエネルギー生産
  • 栄養素:自分の代謝のためのエネルギー生産

繰り返しになりますが、エネルギー以外のものを作るにしても、エネルギーが必要なので、そのエネルギーを補充していると考えればイメージしやすいのではないでしょうか。

代謝酵素の役割は細胞の入れ替わりのいわゆる新陳代謝であったり、ホルモン生成などの役割もあります。お酒を飲んだ時に解毒をしてくれるのも、肝臓で代謝酵素を使って行っています。

代謝というと、何となくエネルギーの生成、脂肪の燃焼、というイメージが先行しますが、体を作る・動かすことに必要なことを行っているのが代謝酵素の役割といってもよいでしょう。

代謝酵素のメカニズム

一言で代謝といっても、様々な役割を担っていることがお分かりいただけたでしょうか。次にお話ししたいのは、代表的な代謝のメカニズムです。

先の説明の通り、代謝は必ずエネルギーを必要とすると同時に、エネルギーを作り出しています。エネルギーを作り出すのは、ATP(アデノシン三リン酸)という物質を必要となるので、代謝の基本はATPの生産となります。

エネルギー生産の仕組み

ATPは筋肉などが動くことで、リン酸を分離させます。分離した際にエネルギーが発生しています。

様々な栄養素がありますが、代表的な3大栄養素「炭水化物(ブドウ糖)」「脂質」「タンパク質(アミノ酸)」でATPができる仕組みを簡単に見ていきましょう。

①ブドウ糖からATPが作られるメカニズム

ブドウ糖からのATP生産の仕組み

ブドウ糖からATPが作られる仕組みはかなり複雑です。大きく分けると図の上の方を「解糖」と呼び、ブドウ糖を代謝酵素の力でピルビン酸へ変化させます。この際に2ATP生産されます。

しかし、2ATPだけではエネルギー量が少ないため、ピルビン酸をクエン酸回路と呼ぶところへ渡します。このクエン酸回路は私たちの体の中にいる微生物である、ミトコンドリアで行われているものです。

クエン酸回路では、酸素と水素(原子)を使い、ピルビン酸をクエン酸へ変化させる、そしてオキサロ酢酸に変えます。酸素と水素を利用している、と聞くと少し思い出すかもしれませんが、これは酸化還元反応を繰り返し行っているためです。

ATPの日本語名は「アデノシン三リン酸」でしたね。つまり、リン酸化を行うことでATPを作り出しているというわけです。少し、生化学的すぎて分かりにくいですが、ブドウ糖はミトコンドリアがたっぷりエネルギーのもとを作ってくれている、と覚えておく程度でよい思います。

②脂質からATPが作られるメカニズム

脂質からATPが生産される仕組み

脂質のATP作成も基本的には炭水化物(ブドウ糖)と変わりません。消化酵素により分解されたグリセリンは図の上の解糖が行われます。

一方、脂肪酸は下のクエン酸回路に入ります。ATPを作り出す仕組みは同じで、消化酵素により分解された物質が、どこの過程に入るのかの違いだけです。

③タンパク質(アミノ酸)からATPが作られるメカニズム

タンパク質からATPが作られる仕組み

タンパク質は消化酵素によりアミノ酸に分解されます。分解されたアミノ酸は、ATP生産のためには、アミノ基(NH2)という部分が邪魔なため、アミノ基を捨てたアミノ酸へ変化します。

変化した後は、ブドウ糖や脂質とほぼ同じですが、基本的にはミトコンドリアの持つクエン酸回路に入ります。クエン酸回路に入った後は、他と同様です。

エネルギー生産以外の代謝

この他にも代謝により様々なことが行われていると述べてきました。すべての細胞の新陳代謝や、各種ホルモンなどの分泌なども代謝の力です。

ここまで、3大栄養素のエネルギーを作る代謝活動について、説明してきましたが、それ以外に細胞の栄養素の再合成が代謝の大きな役割です。私たちの体は、消化により食べ物を分解していきました。

その分解した物質たちを集めて再構築していく必要があります。これを行うのが代謝酵素であり、代謝です。再度化学反応により、アミノ酸をタンパク質に変えたりしています。

また、これ以外に特筆すべきがメッセンジャー物質というものの生成です。私たちになじみのある名前でいうと「ホルモン」がメッセンジャー物質と考えてよいでしょう。

一例ですが、どんなメッセンジャー物質があるのか、例を挙げていきます。

物質 原材料 役割
テストステロン コレステロール 男性ホルモン
プロゲステロン コレステロール 女性ホルモン
GABA グルタミン酸(アミノ酸) ホルモン
アドレナリン チロシン(アミノ酸) ホルモン
ノルアドレナリン チロシン(アミノ酸) ホルモン
セロトニン トリプトファン(アミノ酸) ホルモン
担汁酸 コレステロール ステロイド
ヒスタミン ヒスチジン(アミノ酸) ホルモン
プロスタグランジン アラキドン酸(脂肪酸) ホルモン

ホルモンの役割は様々ですが、凄く簡単に言ってしまえば、体の状態を正常に保ってくれる役割です。ホルモンは基本的に、体の中で指令を出している存在です。非常に分かりやすい例でいうと、女性の月経です。月経は女性ホルモンが指令を出すことで起こる現象として非常に有名なのではないでしょうか。

ホルモンの分泌がなくなると、指令がなくなる、つまり私たちの体はホルモンがなくなってしまうと正常に動けなくなるのです。

しかし、すべての指令をホルモンが行っているわけではありません。その場の瞬間的な動きの判断は、神経が行います。ボールが飛んできたのに反応してよけるのは神経によるものです。

例えるなら、監督がホルモンでキャプテンが神経、というところでしょうか。長期的で戦略的な指令を出すのが監督(ホルモン)で、その場の判断を瞬時に行うのが神経(キャプテン)といったところです。

代謝を高めるためには?

代謝をよくするためには、酵素栄養学から考えると、消化酵素の節約が非常に重要になります。なぜなら、体内で生成できる「消化酵素」と「代謝酵素」は一定であると考えられているからです。

潜在酵素の関係性
参考:酵素とは?種類・働き・概要

つまり、消化酵素を使いすぎてしまうと、体内で生成できる消化酵素の数は減ってしまいます。そのため、細胞の新陳代謝やホルモンの分泌が悪くなり、ダイエットに悪い、というだけではなく体の健康も害する可能性を持っています。

では、消化酵素を節約するにはどうすればよいかというと、食物から酵素を摂取することです。ただし、少し勘違いをしてはいけないのが、食物から酵素を取ることで、代謝酵素が増えるというわけではありません。

酵素は、基本的にはアミノ酸の塊、つまりタンパク質です。体に摂取したタンパク質は分解され胃酸で活性を失ってしまいます。酵素は活性できる環境がph6~8と考えられているので、残念ながら酵素自体を増やすということは、食品からはできません。

ただ、食物酵素を摂取することには意味があります。

食物酵素を摂取すると、食物が自己消化をしているため、体の中の消化酵素を節約することができるのです。消化酵素が節約できるということは、代謝酵素を存分に使うことができるということです。詳しくは消化酵素の説明でも解説しているので、参考にしてください。

参考:消化酵素の働き・消化のメカニズムは?

しかし、気を付けなければいけないのが、酵素が含まれているのは「生の野菜や果実」です。酵素は温めることで失活(働かない)してしまいます。

まとめ

代謝の仕組みについてご説明してきましたが、再度ポイントのみまとめます。

  • 各栄養素からエネルギーを作り出すのが代謝の一つ
  • 細胞の新陳代謝やホルモン分泌も代謝の一つ

代謝の仕組み、消化酵素の大切さをご理解いただけたのではないでしょうか。酵素栄養学の見地では代謝の改善には消化酵素の節約が肝になります。しっかりと、食事の面から消化酵素の節約を目指しましょう。